「瑕疵物件」とされる賃貸物件とは?物理的瑕疵物件・心理的瑕疵物件も解説
賃貸物件のなかには「瑕疵物件」と呼ばれる物件があることをご存じでしょうか。
瑕疵物件には複数の種類があり、概要を知らずに入居先を決めると精神的ストレスにつながる可能性があります。
そこで今回は、瑕疵物件と呼ばれる賃貸物件とは何か、物理的瑕疵と心理的瑕疵の概要を含めて解説します。
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瑕疵物件にあたる賃貸物件とは
瑕疵物件とされる賃貸物件とは、本来備えているであろう品質や性質を備えていない賃貸物件を指します。
そもそも瑕疵とは欠陥や不具合などの意味を持つ言葉で、瑕疵物件は「訳あり物件」や「事故物件」の別名で呼ばれることもあります。
借主が賃貸借契約の締結を辞退するほどの問題が生じている賃貸物件を瑕疵物件と呼ぶのが一般的です。
賃貸物件における瑕疵は全部で4つあり、それぞれ特徴などが異なります。
賃貸物件における4つの瑕疵
瑕疵物件に生じる4つの瑕疵は以下のとおりです。
●物理的瑕疵
●心理的瑕疵
●環境的瑕疵
●法律的瑕疵
このうち、環境的瑕疵物件とは、多くの人々が嫌悪する施設の近くに位置する賃貸物件を指します。
具体的には、以下の施設が挙げられます。
●下水処理施設
●暴力団事務所
●カルト宗教の関連施設
●墓地・火葬場・葬儀場
●刑務所
このほかにも、原子力発電所や風俗店、遊戯施設など、多岐にわたる施設が該当します。
環境的瑕疵に該当するかどうかの判断に明確な基準はありませんが、基本的には安全で安心な暮らしに悪影響を与えるおそれがある施設かどうかで判断するのが一般的です。
また、法律的瑕疵物件は、法的に不備がある賃貸物件を指し、具体的には設備や増改築が建築基準法や消防法に反する建物のことを指します。
法律的瑕疵がある賃貸物件は、防災設備が消防法の基準を満たしていない可能性があるため、入居先を探す際には注意が必要です。
物理的瑕疵物件および心理的瑕疵物件については、後述の解説で確認してください。
瑕疵物件における告知義務とは
賃貸物件に生じた瑕疵の内容によっては、オーナーに告知義務が発生します。
入居を希望する賃貸物件が告知義務がある物件の場合、賃貸借契約を締結する前にオーナーから瑕疵があること、その瑕疵の内容について説明を受けることになります。
もし、オーナーから瑕疵についての説明を受けずに賃貸借契約を結び、後に瑕疵の存在が発覚した場合、借主はオーナーに対して契約不適合責任を問うことができる可能性があることも認識しておきましょう。
契約不適合責任とは、2020年の民法改正に伴い、瑕疵担保責任から名称と内容が変更されたものです。
契約不適合責任では、賃貸物件など不動産の瑕疵について、借主がそれを把握していたかどうかに関係なく、オーナーが責任を負うことになります。
民法改正により、賃貸物件のオーナーの責任が重くなった一方で、借主は事前に瑕疵を把握できるようになり、安全で安心な住まいを選びやすくなったと言えます。
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「物理的瑕疵物件」とされる賃貸物件の概要
4種類からなる瑕疵のなかで目視で確認しやすいのが、物理的瑕疵が生じている「物理的瑕疵物件」です。
物理的瑕疵物件とは
物理的瑕疵とは、土地や建物など不動産そのものに直接生じた物理的な不具合や欠陥を指します。
つまり、物理的瑕疵物件とは、土地や建物に何らかの不具合や欠陥が生じている賃貸物件のことです。
物理的瑕疵物件に該当する賃貸物件は、相場を下回る家賃が設定されていることが特徴です。
目視で確認できる範囲で物理的瑕疵が発覚した場合、入居後にその瑕疵が判明してもオーナーに対して契約不適合責任を追及するのは難しいことがあります。
一方、目視では確認できない隠れた瑕疵であれば、オーナーに責任を追及できる可能性が高くなります。
土地における物理的瑕疵の例
賃貸物件の土地に生じる物理的瑕疵の例として、有害物質による土壌汚染が挙げられます。
また、地中に埋められた廃棄物などのゴミも物理的瑕疵に該当する問題と言えます。
賃貸借契約を締結する前に、これらの問題を確認することが重要です。
建物における物理的瑕疵の例
建物を対象とした物理的瑕疵の例としては、以下の項目が挙げられます。
●シロアリによる被害
●雨漏り
●外壁のひび割れ
●給排水管の故障・詰まり
●耐震強度の不足
そのほかにも、地盤沈下による賃貸物件の傾きや漏水トラブル、建材としてアスベストが使用されている賃貸物件も物理的瑕疵物件に該当します。
ただし、日常生活において生じた床の傷や、経年劣化による建具の摩耗などは物理的瑕疵には該当しません。
賃貸物件の傷みがすべて物理的瑕疵にあたると考えるのは避けたほうが良いでしょう。
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「心理的瑕疵物件」とされる賃貸物件の概要
賃貸物件を探すうえでは、心理的瑕疵物件は確認しておきたい重要なポイントです。
心理的瑕疵物件とは
心理的瑕疵とは、住民に対して心理的なダメージが大きい事象を指します。
具体的には、自殺や他殺のほか、病死、事故死、死後しばらく経過してから発見された事例などが心理的瑕疵に該当するとされています。
心理的瑕疵の判断には明確な基準がなく、心理的な影響は人によって異なるため、4種類の瑕疵の中でどの事象が瑕疵と見なされるかを判断するのは難しいのが特徴です。
心理的瑕疵と判断する目安としては、一般的に忌避される事象かどうかを基準にするのが適切です。
心理的瑕疵物件は告知義務の対象外になることもある
たとえ心理的瑕疵物件であっても、借主に対する告知義務が発生するかどうかはケースバイケースです。
告知義務の基準は、国土交通省が令和3年10月に公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に記載されています。
ガイドラインによると、持病や老衰などの自然死や日常生活での不慮の事故による死亡は、原則として告知義務の対象外です。
不慮の事故には、誤嚥や階段を踏み外したことによる転落、転倒など、特別な事情に該当しないものが含まれます。
また、賃貸物件の共用部分で普段使用しない範囲で住民が亡くなった場合も、告知義務は生じません。
賃貸物件に隣接する住戸で発生した場合も、告知義務の対象にはならないことを覚えておきましょう。
告知義務が生じる心理的瑕疵物件の条件
告知義務が生じるケースとしては、自殺や殺人事件など、自然な形での死亡や日常生活における不慮の事故以外の理由で死亡した事例が挙げられます。
借主に対する告知が必要な期間は約3年間であり、これらの死亡事実が発生してから3年間が経過すると、告知義務は除外されます。
ただし、内容や社会に与えた影響が大きいと判断される場合、期間を設けず、事案ごとに判断が下されることもあるでしょう。
また、自然死や不慮の事故が原因であっても、特殊清掃が必要となる場合には告知義務が発生し、発覚後から3年間にわたって借主に事実が告知されます。
特殊清掃とは、死亡した方の体液による壁や床の汚れを清掃し、室内で発生した害虫を駆除することを目的とした掃除です。
死亡後、長期間発見に至らなかった場合に特殊清掃が実施される傾向があることも留意しておきましょう。
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まとめ
瑕疵物件とは、本来あるはずの品質や性能が備わっていない賃貸物件を指す言葉です。
雨漏りや外壁のひび割れ、地盤沈下にともなう建物の傾きなどが見られる賃貸物件は、物理的瑕疵物件に該当します。
心理的瑕疵には明確な判断基準がないですが、過去3年間に自殺などが発生すると告知義務の対象になると覚えておきましょう。
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